<結ノ歩訪問看護ステーション>
リハビリテーションとは
リハビリテーション
リハビリテーション(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っています。つまり、機能回復だけではなく「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションなのです。
それには、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のようなリハビリテーション専門職だけでなく、さまざまな職種の方々が関与します。
リハビリテーション専門家にできること
上記で述べたことも当然リハビリテーションではあります。では、リハビリテーション専門にしかできなこととはいったいなんでしょうか?
リハビリテーション専門家は、機能解剖学、生理学や運動学など、身体が動くということを基礎から学んできております。
「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」を尊重しリハビリテーションを行うことはもちろんのこと、基礎知識を活かした機能回復を行わないわけにはいきません。昔では「もう慢性期なのでこれ以上の回復は難しい」「脳卒中は機能回復は難しいので代償動作の練習をしましょう」という提示が多かったように思います。
しかし
最近では科学技術の進歩もあり、以前では解らなかった「脳」の中が少しずつではありますが解明されつつあります。「脳」の中が少しずつ解明されていくことで
従来のリハビリテーションに加え、より機能回復を目指すことも可能になってきているように思います。
認知神経リハビリテーションとは
脳神経科学に基づき脳を改変さすことで
身体を治す新しいリハビリテーションです。
毎朝の光景
お見かけする男性
私は毎朝通勤で、ある公園の横をとおりますが、そこに60歳代後半の男性が毎朝決まった時間に散歩をされています。
その男性は右側片麻痺(脳卒中、脳梗塞)にて杖をついて歩行されております。私が思うに麻痺を治したいという思いにて毎朝歩行訓練を実施されているように思います。
私が見かけてもう1年程度経過しますが、しっかりと歩行されており転倒のリスクは少ないように思いますが、右手は曲がっており、体に身密着し、右足は大きく横から振り出されている状態です。
これでいいのでしょうか?
その男性も大変努力されており、しっかりとした歩行を獲得されておりますが、治療者としてこれでいいとは思いません。
機能回復する
- 片麻痺
- 脳卒中
- 脳梗塞
- 脳出血
が治るとはどういうことなのでしょうか?
しっかり、歩けること、それだけなのでしょうか?
体がよくなるとはどういうことか。
そうではないと考えております。治るとは、自分の思い通りに手足が動き、歩行中障害物が出てこれば、止まるのではなく、足を出す角度を変えたり、大きくまたいだりと状況にあわせて楽に体が動くことではないでしょうか?
よく考えてみて下さい。脳卒中、脳梗塞、脳出血にて手足が不自由になったのは筋肉、関節の硬さのせいでしょうか?そうではありません、それは二次的な障害です。
きっかけは脳が損傷を受けてしまったからです。そのを治療しなくて回復はありえるのでしょうか?
近年の科学を応用
近年、科学的な進歩もあり、脳の機能を測定できる技術が開発されてきております。そのことで脳機能の実態が明らかとなりつつあります。その知識をリハビリテーションに生かさないわけにはいきません。
私たちに何ができるのか。
私達は、認知神経リハビリテーションという考え方を基に、一次的な損傷を受けた脳を治すためにリハビリテーションを実施いたします。そうすることでおのずと二次的障害を受けた手足は自由に動ける状態にちかくなります。
私たちと一緒に機能回復を目指し、その結果に日常生活が行える、そんな状態を目指しましょう。
人は認知過程を使い学習している
認知過程
- 注意
- 知覚
- 記憶
- 判断
- 行動(言語)
ヒトは何かを知ろう(学習)としたとき、知ろうとする対象に注意を向けます、そしてそれを感じとします(知覚)。感じ取ったものを一旦記憶し、そして同じような状況に再びであった時、以前に記憶した経験をたよりに、現在の状況を判断し行動(言語)するのです。
認知過程を使った学習の例
その鉛筆が黒くて短く書きずらそうな鉛筆だとします。これを感じ取っている状態が知覚しているという状態です。
そしてその黒くて短い鉛筆を記憶します。
そのごまた違う鉛筆をみつけます。それは赤くて長く、書きやすそうな鉛筆です。
そのとき、以前記憶した黒くて短い鉛筆を思い出し、「このえんぴつの方が見た目も綺麗だし、長くて書きやすそうだ」と判断します。
そして黒と赤の鉛筆どちらを使うか、となった時、赤い鉛筆を使うという行動(言語)に出るのです。
そうやって一つずつ経験を蓄積し増やしていくことが学習です。
ヒトはこの認知過程を使った学習を無意識におこなっているのです。
疾患を呈すことで
- 脳卒中
- 脳出血
- 脳梗塞
など
を呈することで、一つのことに集中(注意)が出来なくなった。
すぐ忘れてしまう(記憶)
場合、場合にあった判断が難しくなったり、間違えてしまったりする(判断)。
そうすることで、良い学習ができなくなり、手足が動きずらくなってしまうということが起こってしまいます。
体の状態が変化すると脳も変化する
脳梗塞、脳出血といった直接的に脳に損傷をうけたり
パーキンソン病や脊髄小脳変性症のような脳の変性疾患のように
何らかの脳の変化が伴う症状以外でも脳は悪い意味でも、良い意味でも変化します。
骨折などで固定を強いられた時、あまり関節を動かしては駄目な時
こういった状況が長期にわたるとやはり脳は悪い意味で変化します。
簡単にいうと悪い動作や習慣を学習してしまい
怪我する以前の良い動かし方を忘れてしまうのです。
先生に「筋力は十分に戻っている」と言われるも
以前となにか歩き方が違うという、股関節の手術をされた患者さんもおられました。
つまりこういった方は悪い習慣を脳が学習してしまった可能性があります。
以前と同じように歩くには筋力増強が必要なわけではありません。
もう一度正しい歩き方を脳に学習させる必要があるのです。
対象疾患
基本的にはすべての疾患に対応しております。
- 脳梗塞
- 脳出血
- 頭部外傷
特定疾患である疾患にも対応しております。
- パーキンソン病
- 多発性硬化症
- 重傷筋無力症
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- 後縦靭帯骨化症
骨折などの整形疾患など
次世代のリハビリテーションへ
詳細は下記ホームページをご覧下さい。